主催者から

福岡文化連盟理事長                         柴田 建哉

 第17回福岡文化連盟祭り「福岡アートビエンナーレ2022」にようこそいらっしゃいました。本展は福岡文化連盟が隔年で開催する総合芸術祭です。2年前はコロナ禍の影響で中止を余儀なくされ、代わりに作品集「夢のもっと先へ」を発行しましたので、実質4年ぶりの開催です。

 今回からメーン会場を天神のアクロス福岡から、リニューアルした大濠公園の福岡市美術館に移しました。企画の内容も全面的に見直し、名称を従来の「天神アートビエンナーレ」から改め、再スタートを切りました。

 福岡文化連盟は「福岡を文化都市に」を旗印に1965年に誕生して以来、半世紀以上、福岡の文化活動をけん引してきた文化人の集団です。会員数は現在約370人。美術はもとより文芸、音楽、演劇、伝統芸能など10の部会があり、会員の皆さんは各分野の最前線で活躍しています。同時に、さまざまなジャンルの会員が「同居」していることから、コラボレーションが盛んなことが大きな特徴になっています。

 今回の福岡アートビエンナーレも単なる美術展ではありません。絵画や彫刻、工芸、書、写真、華道などの会員が出品する福岡文化連盟会員展を「本展」と位置づけていますが、そのほか、文芸の会員も加わった「北原白秋へのオマージュ」展や関連イベント、会員の書家や工芸作家、和菓子職人が協力する茶席や香席まであります。多彩な中身はとうてい福岡市美術館だけには収まりきらず、お隣の大濠公園日本庭園や市内外のギャラリーも会場とし、それらを有機的に結ぶことで、総合芸術祭の体裁をとっています。

 「瀬戸内国際芸術祭」(岡山県、香川県)「越後妻有 大地の芸術祭 2022」(新潟県)「あいち2022」(愛知県)―今年も各地で大がかりな芸術祭が開催されました。比べてみれば、われわれのビエンナーレはとてもささやかで、地域限定の催しです。

 しかし、現代美術から伝統工芸まで同時に楽しめ、文芸とのコラボまである催しはそうはありません。多士済々な才能を擁する福岡文化連盟ならではと自負しております。ユニークな「お祭り」をぜひご堪能ください。