特別展「いろ・しき」

「いろ・しき」

 事物は認識したときに初めて実在する。量子力学の非実在性とその周辺に巻き起こった近代の世界の実在をめぐる議論には、4世紀にインドで生まれた仏教哲学における唯識との共通点が見られる。
果たして世界は実在するのか、それとも空(くう)なのか。

 色が失われた世界に、時折、色を認識できる光が差し込む。
世界が認識されたときに初めて実在するのだとすれば、我々がどう認識するかが世界の実在を支えているのかもしれない。

ボシについて
 古くから器の焼成時に降り注ぐ灰がかからないためや、同じ形状の器を積み上げて効率良くたくさんの陶器を焼くための容器。一般的に「サヤ、匣鉢」などと呼ばれ肥前地区では「ボシ」と呼ばれている。佐賀県嬉野市嬉野町吉田にある肥前吉田焼の産地をライトアップするイベント「吉田皿屋ひかりぼし」からお借りした。
 同じ形状の焼き物を多く生産していた時代には必要不可欠だったものが、個性的なものを多品種小ロット生産する今の時代には不必要となり、活用方法が模索されている。

anno lab
 anno lab(あのラボ)は、福岡を拠点に活動するクリエイティブ・ラボです。
 面白さや楽しさを初めとした知的好奇心を出発点にして、日常の中に新しい体験や価値を生み出していくためのクリエイティブを行っています。
 anno labの野望は、世界一楽しい街を創ることです。
 anno labは2021年に雑誌Penによって、Pen Creators Awardに選ばれました。また、2022年、文化庁メディア芸術祭 アート部門で大賞を受賞しています。

クレジット
anno lab
テクニカルディレクション…藤岡定、井原正裕、岩谷成晃、金スルギ、田中喜作
アートディレクション…村上ヒロシナンテ、須藤史貴
プロジェクトマネジメント…吉田めぐみ

サウンドデザイン…中村優一(invisi)
美術協力…吉田皿屋ひかりぼし実行委員会
技術協力…石垣 陽(電気通信大学)、株式会社洛明社
企画協力…吉田ひかる

※室内は強い光の点滅がございます。光の点滅に弱い方はご注意ください。
※展示物にはお手を触れないようにお願いいたします。
※小さなお子様は、保護者同伴の上ご鑑賞ください。

 入場無料。 

会期:    11月23日(水)~27日(日)

時間:    9:30~17:30

会場:    福岡市美術館ギャラリー